About守る会について
京都の西に位置する嵯峨野の地においても特に際立つ小倉山は、平安時代より紅葉と鹿の名所として和歌に読まれる名山です。
清少納言も枕草子の中で「山は小倉山。鹿背山。三笠山。・・・」と筆頭にあげています。
中世以後その周辺を含めた山里は、日本の歴史に名を残す著名や貴族や文化人の別荘として愛されてきました。
やがてこの地も、そのたぐいまれな風光明媚さが国内外の多くの人に愛されるようになり、一大景勝地・観光地として沢山の観光客を迎えるようになってきました。
しかし、この小倉山が、ここ30年程の間にとても危険な状況を迎えているのです。
それは小倉山の風景を演出する主な樹種であるアカマツがマツノザイセンチュウの食害により枯死し、激減しているのです。
さらにその枯れた後にシイなどの照葉樹が山を被いはじめ、平安時代から守られてきたアカマツと落葉樹が占める多種多様な林層からなっていた美しい風景が姿を消し、四季の変化を感じることが出来ない照葉樹がおい茂る単一な林層の風景へと急激に変化してしまいました。
以前にも増して大勢の方々が小倉山や嵯峨野へお越しいただいている現在、小倉山が本来の樹林でないのは残念なことです。
この思いは地元住民のみならず、京都市役所内でも高まり、京都の山容の回復を目指して法令整備、現地調査、生い茂る照葉樹の一部伐採と取り組んでまいりました。地元としましても、2013年に寺社、施設、嵐山保勝会や有志の方々とともに「景勝小倉山を守る会」を結成し行政とともに植樹活動を進めております。
2014年と2015年の春には市民参加による植樹祭を行い、1000本のマツやモミジの苗木を小倉山に植林いたしました。
皆様と植樹した苗木は、2016年現在、9割以上が活着して順調に生育しています。
1000年以上愛され守られてきた小倉山の美しい風景を回復させるための活動をより多くの方々に広め、風景を守る活動を国内外に知らしめ、広めていきたく、このたびホームページを開設いたしました。
紅葉と鹿の名所として和歌に詠まれる名山「小倉山」をぜひ後世に繋げていく活動にご協力ください。